2026/08/17(月)
相続不動産の登記はいつまでに必要?手続き方法を解説
親や配偶者から土地・戸建て・マンションを相続しても、登記簿の名義は自動的には変わりません。2024年4月1日から相続登記が義務化され、過去に発生した相続も対象になりました。売却を予定している場合は、亡くなった方の名義のままでは買主への所有権移転を進められないため、早めの対応が必要です。ここでは、申請期限の考え方や必要書類、手続きの流れを解説します。
相続登記とは
相続登記とは、亡くなった方が所有していた不動産の名義を、相続した人へ変更する手続きです。相続によって権利を取得しても、法務局へ申請しなければ、登記簿上の所有者は被相続人のままです。
登記を放置すると、売却や担保設定を進めにくいだけでなく、次の相続が発生して関係者が増え、遺産分割協議や戸籍収集が複雑になるおそれがあります。
相続登記の期限は原則3年以内
相続によって不動産を取得した相続人は、自分のために相続が始まったことと、その不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請しなければなりません。単純に死亡日から3年と決まるわけではなく、相続の開始と不動産の取得を知った日が起算点です。
遺産分割が成立した場合には、成立日から3年以内に、協議の内容を反映した登記を行う追加的な義務も生じます。正当な理由なく期限内に申請しなかった場合は、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。ただし、期限を過ぎた時点で自動的に過料が確定するわけではなく、登記官による催告などを経て判断されます。
古い相続も義務化の対象
2024年4月1日より前に発生した相続でも、登記が済んでいなければ義務化の対象です。施行前から不動産の取得を知っていた場合は、原則として2027年3月31日までに相続登記を行う必要があります。施行後に取得を知った場合は、その日から3年以内が期限となります。
「何十年も前の相続だから対象外」とは限りません。祖父母や曾祖父母の名義が残っている場合は、現在の登記内容と相続関係を早めに確認しましょう。
相続登記の手続き方法
最初に、固定資産税の納税通知書や登記事項証明書などで、相続対象となる土地・建物を確認します。次に遺言書の有無を調べ、被相続人の出生から死亡までの戸籍などを集めて相続人を確定します。
遺言書がなく、相続人が複数いる場合は、誰が不動産を取得するかを話し合い、遺産分割協議書を作成します。その後、登記申請書と必要書類を、不動産所在地を管轄する法務局へ提出します。申請は窓口への持参や郵送のほか、オンラインでも可能です。法務局では、遺産分割協議による相続と法定相続分による相続について、それぞれ手続き案内や申請書様式を公開しています。
必要書類は相続方法によって異なりますが、被相続人の戸除籍謄本、相続人の戸籍謄本、不動産を取得する人の住民票、固定資産評価証明書、遺言書または遺産分割協議書などが代表例です。
登録免許税は原則として、不動産の固定資産税評価額に0.4%を乗じて計算します。ただし、一定の土地には2027年3月31日までの免税措置が設けられているため、適用の可否を確認しましょう。
遺産分割がまとまらない場合
期限までに遺産分割協議がまとまらないときは、相続人申告登記を利用できる場合があります。登記名義人について相続が開始したことと、自分が相続人であることを法務局へ申し出る制度で、申出をした相続人は基本的な申請義務を履行したものとみなされます。
ただし、相続人申告登記は、誰が不動産の所有権を取得したかを確定する通常の相続登記ではありません。後に遺産分割が成立した場合は、その成立日から3年以内に内容を反映した登記が必要です。売却する際にも、正式な相続登記を済ませる必要があります。
自分で難しい場合は専門家へ相談する
相続登記は相続人本人でも申請できますが、相続人が多い、古い相続が重なっている、遺言の有効性や遺産の範囲に争いがあるといったケースでは手続きが複雑です。登記申請の代理や申請書作成は司法書士または弁護士へ、相続税は税理士へ相談するなど、内容に応じて専門家を選びましょう。法務局でも予約制の登記手続案内を実施しています。
相続した不動産を売却する予定がある場合は、登記が終わるまで査定を待つ必要はありません。不動産会社への査定相談と、司法書士への登記相談を並行して進めることで、売却時期や必要費用を見通しやすくなります。
相続登記には期限があり、制度開始前の相続も対象です。時間がたつほど戸籍収集や相続人同士の調整が難しくなることがあるため、まずは登記簿上の名義と対象不動産を確認しましょう。売却を検討している場合は、登記と販売計画を早い段階から連携させることが大切です。
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